職人を育てる専門学校

若い人たちに技術者、あるいは経営者として活躍してもらうためには、技術の伝承を行うためのきちんとした環境づくりが必要となります。雨漏り一つ例に取っても、そこにどんな専門性があるかは、まだまだ世間には知られてはいません。さらにそれに加えて総合的な雨漏りの技術が勉強できる場所もないというのが業界の現状です。こんなことでは、いくら専門的な知識を学び、屋根職人になりたいと思っている若者がいたとしても、何をどうすれば、どこに行けばいいのか分かりません。

今となっては、多くの屋根工事・修理の現場経験を持っている職人たちも年齢を重ねるにつれて体力的に続けていくことが難しくなっています。体で稼ぐ職人は、体が資本であるとは昔から言われていることではありますが、不幸なことに専門的な知識と経験を持ちながらも、思うように身体が動かなくなり、引退するしかないところまで追い込まれることも決して稀なことではありません。

しかし、年をとって動けなくなったらお仕舞いというのは、あまりに残酷な結末ではないでしょうか。もしも仮に、そうした職人たちが専門学校の講師として活躍できる場があるとすれば、どうでしょう。そしてそこに、仕事を求める若者と手を取り合うことで、技術は伝承され「生き方」となっていくのではないでしょうか。

このような新しい専門学校が存在するとしたら、生涯を通して屋根職人として歩むことも可能なベテランの職人たちと、現場から得た知識と経験を間近で教われる環境で熟練の技巧を知ることができる若手の職人たち、それぞれがお互いに良い環境に恵まれることによって、良い技術者がこの国に生まれていくような気がします。そしてそれが還元されていく世の中にあるのは、いざという時の「安心」なのではないでしょうか。