連携の取れたスムーズなコミュニケーションこそが、良い仕事に繋がっていく。それは多くの人が持つ共通意識なのかもしれません。特に屋根工事・修理を行う職人たちの世界では、お互いに技術を認め合い、信頼し合う仲間と作業を共にすることは、それがそのまま効率と成果へと昇華されていきます。そもそも高所で行われる屋根工事の作業においては常に危険が身に起きる可能性に囲まれています、なので息の合ったコミュニケーションが必要不可欠なのです。

仕事を始めたばかりの頃は、先輩の職人が何を言っているのか分からないということも多々あるようです。指示の内容に判断がつかないといった心境は、常に自分の行う作業に対して「これで大丈夫だろうか」といった不安を募らせては、余計なストレスを生みます。そうしたことに気をとられてしまうと、少し注意を払っていれば防げた事故も決して起きることはないのでしょう。「あの、ここはどうすればいいですか?」と聞ける空気作りもベテランの職人の仕事の一つなのかもしれません。

しかし時に世の中には、教えてもらうのではなく、自分から気付くことによってでしか成長できないことも確かに存在します。これはある若い屋根職人の話ですが、雨漏りした家へ屋根修理を施すときに一緒にいた熟練の職人が、屋根の手触りを何度も確かめていることが理解できなかったそうです。「傾斜を計算するならともかく何を確認しているのだろう」と暫く見ていると、彼はようやく熟練の職人の意図が見えたといいます。「そうか、水の逃げ道を確認していたのか」と分かった時には、自分の中に職人としての感覚が開いていくのを感じたそうです。

ここでは、このような職人としての道を歩む人々の話を幾つか紹介します。